大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和34(オ)571 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理 由

上告人ら代理人高坂安太郎の上告理由第一点について。

所論は、原審が適法にした証拠の取捨判断及び事実の認定を非難するにすぎない

ものであつて、上告適法の理由とならない。

同第二点について。

会社の行為が、定款に記載された目的自体の行為でなくても目的遂行に必要な行

為は会社の目的の範囲に属するものであつて、その目的遂行に必要であるか否かは、

間題となつている行為が、定款の記載自体から観察して、客観的に抽象的に必要で

ありうべきか否かの基準に従つて決すべきものと解すべきことは、当裁判所の判例

とするところである(昭和二四年(オ)第六四号同二七年二月一五日第二小法延判

決集六巻二号七七頁)。定款に所論の事項を目的として掲記する上告会社が、原判

示のとおり上告人A1のために、同上告人の振出にかかる本件各手形に裏書をする

ことは、上告会社の目的逐行に必要でありうる行為であることは明らかであるから、

右手形裏書をもつて上告会社の目的の範囲内に属する行為と判示した原判決は正当

である。また、所論代表権の濫用については原審の認定しないところであつて、上

告人の引用する判例は本件に適切でないから、論旨はいずれも採用できない。

同第三点について。

上告会社の代表者たるA2が本件各手形について前記のとおり裏書をしたのは商

法二六五条にあたらない、と判断した原判決は正当である。所論は、独自の見解に

もとづき原判決を非難するものであつて、採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、

- 1 -

主文のとおり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!